カレナミンZです！
日本の最近のヒーローコミックといえば『僕のヒーロアカデミア』。とうとう最終決戦になって佳境ですよね。最新刊のお茶子ちゃんがかっこよすぎて泣きました。日本のヒーローが熱いですが今回はアメリカのヒーロー、ニューヨークを守る蜘蛛のヒーロー『スパイダーマン』のゲームの続編が出たので遊びました！
2018年発売の『Marvel’s Spider-Man』から５年の時を経て新作が発売されました。
開発元は『ラチェット&クランク』でおなじみのインソムニアックゲームズは担当。
アメリカンコミックマーベル原作の『スパイダーマン』を元にゲームオリジナルストーリーで展開されていきます。
今作はPS5専売となっており、旧ハードのことを考えずに最新技術をフルに使い切っています。そんな今作ですが、まさしく映画版スパイダーマンを操作できるようなクオリティです。
ということで感想をつらつらと述べていきます。トロコン済みです。
映画版は『スパイダーバース』込みで全部観てます。アベンジャーズは見てませんのでご了承ください。
| 発売日 | 2023年10月20日 |
| 対応機種 | PS5 |
| 開発元 | インソムニアックゲームズ |
プレイフィール全般の感想
・個性的なアクションが追加。ガジェットの数は削減。 ・敵のバリエーションが豊かで多少の対策がいる ・パリィのタイミングがズレやすくてシビア
スパイダーマンは①通常攻撃②ウェブによる拘束③各アビリティ④ガジェットのこれらを組み合わせて戦います。
そして新アクション『パリィ』が追加。敵の攻撃をタイミングよくL1で防いでカウンターできます。いつもワンパターンだったアクションにスパイスが生まれました。ただ、タイミングは頭上のマークが白から赤の状態になったらパリィ可能になる仕様上、テンポがズレるのでやや難しかったです。また、パリィ不可攻撃もあるので瞬間の判断力が試されます。
ピーターは背中に装備したアイアンスパイダーとシンビオートのアビリティ。マイルズは電撃系のアビリティを覚えます。
敵の火力や戦い方が変化している分、ステゴロとウェブだけでは苦しくなります。後半はガジェットやアビリティで各個撃破していきます。一応全体攻撃もあるのでまるで『スパイダーマン無双』のようにサクサク敵を倒せます。
敵の種類がかなり増えています。人間型だとカルト宗教フレイムの雑魚が火炎放射器で高速移動する動きが個性的で良かったです。今作のメインヴィラン組織『ハンター』も盾持ち、二刀流、斧、爆弾拡散式ボウガンと多種多様
とある雑魚敵は音波が弱点で、音爆弾を打てばデバフをかけられますので今までに無い戦法が楽しめます。(音波が弱点なのが何なのかはわかる人はわかりますよね)
同じオープンワールドのゴーストオブツシマのような気持ちいいタイミングではないので若干使いづらかったです。
ステルスアクションは便利になったが目新しさはなし。
ステルスは従来のものとあまり変わりませんでした。追加要素としては壁から壁に任意で糸のロープを作ることができるようになりました。天井に糸を張り巡らせてより蜘蛛らしい戦い方ができてよかったです。
このゲームのステルスが便利なので他のゲームのステルスをすると操作しにくくなるんですよね。
サブクエストは短くて良し
サブクエストは善良なニューヨーク市民の人助けをするもの。前作をやっていないとわからないキャラも出てきます。鳩のおじさんのクエストは悲しかった・・・。
マイルズの友人ヘイリーを操作するパートがありますが、耳が不自由な方の視点で操作するのは目新しい表現でした。ただ、ここも人間パートに分類されるのでアクションを求める人からはいらない要素には感じます。
マップ・アクティビティ周り
マップは２倍になり、前作で行けなくてもどかしかった橋の向こうのブルックリンや住宅街が解禁に。
前作までは地下鉄に乗ってファストトラベルする形でした。今作はどこからでもファストトラベル可能となっています。今までのオープンワールドゲームとは一線を画す仕様に。PS5の能力を最大限引き出しており爆速ロードを実現しています。個人的にファストトラベル面は『ゴーストオブツシマ』が最高峰でしたがここは超えました。この快適さをユーザーが知ってしまったので、今後のゲーム界のハードルは一気に上がると考えられます。
作り込みはあいかわらずの満点。食べ物のグラフィックがリアルで大好きです。一回しか行かない場所のオブジェクトへのこだわりを感じます。
個人的な体感として個々のアクティビティはクリアまでのテンポがサクサクで良かったです。終了後に起きる依頼者とのやりとりもそんなに長くなかったのですぐ別の行動に移れるのもグッド。
強いて挙げる嫌いなミッションは『謎の獲物』という高速移動する鳥型ロボットを追いかけるミニゲーム。操作に微調整が必要でかなり繊細なプレイングを求められます。慣れたら１発クリアできるようになりましたが、まじでめんどくさかったです。
今までのスイングに加え。今作からグライドも実装されました。直線の移動速度が格段に上がりました。対空時間が強化込みでもやや短い点とそこはスイングと使い分けが必要になりますが、正直グライドだけで移動は何とかなります。
強化面
強化面は共有で必要な素材の『パーツ』と各種『トークン』に分かれました。『パーツ』は平たく言うと通貨みたいなものです。野生の犯罪者バトルでは『犯罪者トークン』が廃止されて『パーツ』と経験値のみ得られる形に。前作は強化するためのトークンが多くてややこしかったのでシンプルになってよし。
スキルは共通のものと個々のスパイダーマンで割り振る形に。振り直しはできませんが、レベル60近くで全部のスキルを埋められます。
人間状態のアクション面の強化
回想シーンの中でステルスアクションのチュートリアルを挟むのはワンパターンにならずに済む点と思いました。チャリンコを漕ぐパートもあったり多種多様なミニゲームが充実しています。ある種PS5の性能の実験をしているのではないかと思ったりします。
『スパイダーマン１』でのMJパートはテンポが悪くて面白くなかったですが、今作のMJパートでは敵を気絶させられるように。この世界の一般人は強すぎるんよ。
ただ、オープンワールドのアクションだけを楽しみたい方にとったらこの要素自体カットもできないのでいらないとは思います。あくまでスパイダーマンシミュレーター。動かせる映画と思えば割り切れますが。
ミニゲーム関連
ただアクションだけではなく、ミニゲームも充実したものに。ちょっとした音ゲーから化学式パズルなど。難易度は『１』よりは簡単になって体感的なものになっています。
ミステリオのVR空間でダフトパンク風な装いで音ゲーができる。音楽が専門のマイルズらしいミニゲームで個人的には楽しかったです。
また、作中では遊園地で遊ぶパートがあり、かなり本格的なミニゲームができます。
このミニゲームだけでも一本作品が作れそうなクオリティ。
トロフィーコンプリート
わかりにくかったものはPS5のヒント機能を見ました
全体的に難易度低下です。今までがお手軽だった分、より簡単に感じます
かれこれ通算３作目なので勝手がわかっていて序盤にほとんどのミッションをクリアしときました
2周目クリアが無くなったのは快適
プレイングスキルが求められるトロフィーが少なめ
相変わらずトロコンチャレンジしたい方には丁度いい分量かと思います
復讐と許し、更生の物語
孤高のヒーローから仲間と戦うヒーローへ
今作は大きく２部構成。前半はヴィラン狩りをするVSハンター編。後半は暴走するヴェノムからハリーを救う物語。
2人のスパイダーマンが協力するのは夢のような世界です。前作ではピーターが休暇中だったので、ようやくダブル主人公に！
ヒーローが完璧超人というわけでは無い所が現実的。ピーターは家のローンや転職、彼女のことで悩み、マイルズは大学進学、仇への復讐と葛藤、恋、親の再婚など等身大の「一般人」とヒーロー業の両立をテーマに進んでいきます。
ピーターとマイルズは師弟関係ではありますが、お互いが支え合っているのが最高です。そしてマイルズは自立したヒーローに。今後ピーターでのプレイアブルは無くなるのか。
『スパイダーマン』といえば、素性を隠して戦う自警団という印象があります。しかし今作はMJやハリー、ガンケ・マイルズの母親、ヘイリーたちが仲間になってサポートしてくれます。
いつもの匂わせCパート的には『3』かDLCの制作は決まりかもです。次はグリーンゴブリンとの闘いなんでしょうね。奴が絡むと誰かが亡くなるから今から不穏…。
ピーターパート
転職に成功してマイルズの通う学校の先生になるも、スパイダー業との両立は難しかったため即刻クビに。病気療養をしていた親友のハリーが帰ってきてスタートアップ企業にスカウトされることになります。
ヴェノム化したことによって心の闇が暴走することに。ただ、やはりヒーローの魂があるのでちょっと口が悪くなるくらいで留まったのはさすがです。サムライミ版の例の謎ダンスはちょっと期待していましたがありませんでした。
ところどころで映画版のオマージュのようなシーンがあるのは感動。しかもQTEできちんとプレイヤーに体験をさせています。
スパイダー業を無償でやってるのは本当にヒーローの鑑ですよね。自己犠牲精神のトレードオフで、私生活はボロボロ。実質ヒモみたいな生活だったようでMJの負担が半端なかったからこそ彼女と腹を割って話せて良かったです。それこそメイおばさんから言われた『バランス』が大切なんでしょうね。
映画最新作の言葉にある『カノンイベント』があるなら、今作のハリーとの下りもそうかもですね。ただ、ノーマンさんに怨まれるのはとばっちりも良いところ。あのとき否定しなかったのもヒーローとしてもどかしいところですね。
君はなぜ 君はなぜ 戦いつづけるのか 命をかけて
マイルズパート
進路の悩み、母親の再婚、気になる女子の子との進展、ヒーロー活動との両立、そして父親の仇の脱獄・・・と重くのしかかる試練を乗り越える物語となっています。
服装もおしゃれで作曲が趣味。今作は髪型もイメチェンして良い感じに。学校でも友達が多そうな感じなのでうまく立ち回れる良い奴なんでしょうね。
友人ガンケがまじでプログラミング技術凄いんですよね。ネットワークを齧った程度の知識ですが、彼が一人で独自ネットワーク構築するとかほんとチート。
母親が心なしかヒステリックに感じましたね。ピーターにもあたりがキツかったですし。地下鉄でもしかり。高校生の息子が命の危険にさらされているから当然かとは思いますが。
最後のCパートで再婚相手の娘(妹？)が家族になることに。どうやら「シルク」というヒーローの本名と同じなので次作はピーターの代わりにシルクがプレイアブルになるのかもですね。
人はいつでも変われる。赦しとヴィランの更生
スパイダーマンのヴィランは泥棒から殺人鬼、不慮の事故でヴィラン化した者と多種多様。今作はヴィラン狩りによって毎度おなじみだったヴィランたちが抹殺されていきます。殺されれば更生の余地もない。そんな中でピーターにしょっぴかれて更生したヴィランの姿が見えたのは一筋の光に感じました。生きていれば変われることはあるんです。
特に復讐に囚われかけたマイルズがとあるヴィランを赦し更生の道に導く場面には新しい時代のヒーロー誕生に立ち会えた気分です。ピーターも作中で「宿敵を改心させるなんて僕にもできなかったことだ」言ってましたよね。ホントにマイルズは良い子。
ヴィラン
今まで登場したいろんなヴィランが退場はいい意味で裏切られました。油断していたので凄い判断です。マーベルは勧善懲悪ではないんですよね。世界でポピュラーなシリーズですが死人もでますしそこはシビア。キングピンやスクリューボールは未登場でしたが元気してるかな。
クレイブン・ザ・ハンター
ヴィラン狩りおじさん。薬品で肉体強化するタイプ。ヴィラン狩りを通して自分の死に場所を求める哲学変態おじさんでした。ビックリ人間が多い世界観の中、こういうステゴロが強いのが一人だけいるのは好きです。内輪揉めで家族が全滅する感じは洋画っぽい。このキャラは来年映画で主役張るみたいですね。どうやら異母兄弟もヴィランなようで、こいつも次作かDLCで絡んできそう。
コイツとの戦闘は楽しかったです。超能力無しで光学迷彩や武器の腕っぷしで勝負する泥臭さは好きですね。
ミステリオ
VRおじさん。色々あったらしく出所して改心しての登場。VR技術を駆使して相手を惑わすという唯一無二の戦法を使うのは個人的に好きなヴィランです。スコーピオンとは違った幻覚使いというのは面白い。映画版もどこからどこまでが現実なのかわからない錯覚になりました。終始敬語なのも好きです。胡散臭い言動のため、彼のサブクエストは最後まで真犯人がわからなかったですね。今作ではマイルズ操作でのバトルミニゲームの担当。
リザード
脱皮尻尾切りおじさん。映画版と同じで不幸が重なってヴィラン化した研究者。割と大暴れしましたが多分身バレしていないのでしれっとお咎め無しだったのは草です。映画版ほどキャラが濃いわけではないですね。
サンドマン
心優しい砂おじさん。彼も映画版に登場していましたが、娘を愛する優しい人でした。チュートリアルのボスとサブクエを担当しただけで影は薄め。ただ、序盤のインパクトや砂の描写には驚かされました。この画面のビル、どこでも移動できるんだぜ。良い時代に生まれたものだ。
レイスとフレイム
レイスをヴィランとするかはグレーゾーンですがひとまず。前作で登場した警察官ユリのヒーロー名です。実質『ヴィジランテ(自警団)』として闘う孤高の存在に。鎖鎌が武器で戦っていて一番強かったです。
フレイムは自分自身では戦わず、信者を戦わせる炎上焼印おじさん。見た目にインパクトは無い分、思想がイカれている。先述の通り中型の雑魚が強め。フレイム関連のサブクエストは未完結。最後に「カーネイジ」と言っていたので鳥肌。DLCで完結しそうですね。
ヴェノム
映画でもおなじみ、宇宙からやってきた寄生生命体。映画のような愛嬌はゼロで徹底的に悪役でした。振動音が弱点なのはきっちり再現されていました。ちなみにエディ・ブロックは未登場です。おまけ程度に操作しますが、あれは必要だったのか。ちょっとしたおまけ要素と解釈しています。
気になる点
人物や用語の説明がない
今まではピーターやマイルズの語り口調でキャラクターの説明や主人公たちへの関わりがわかる機能だったのですが今作から削除。続きものなのに残念ですね。全作遊んでいてもわからないことが多いので、未プレイの人はより意味不明と思います。気になるなら初代から遊んでという意図と汲み取れました。
『リザード』や『ミステリオ』は映画版や原作好きな方にとってはお馴染みのヴィランですが、今作での立ち位置がよくわからないまま進んでいきます。おそらくゲーム本編とは別の時間軸でトラブルを起こしてから改心したんだと思います。ただ、登場人物だけで盛り上がってプレイヤーが置いてけぼりになることが多々あるのが残念な点です。
個人的にはシリーズ2作品はやった方がいいと思いました。何なら映画版も。知らなくても楽しめますがよりニヤニヤできると思います。
定価の割にボリュームは控えめ
ここはプレイ次第ですが、のんびりプレイしてもクリア時間は30時間くらいです。サブクエストあたりのテンポの良さや収集要素での世界観の深掘りはちょうどよかった分、メインクエストは割と短め。プレイ時間に対する料金は割高ですが、昨今のPSソフトの相場やクオリティに対する開発費を考えたら妥当です。ただ、この手のゲームはダウンロード版の割引や無料になるチャンスが多いので金銭面に余裕がない方は待ちでいいと思います。
この手の感想は難しいところですが短いシナリオな分、何周も遊べるメリットもあります。何の意味もない収集要素もないので充分な量ですが、それでもゲーマーからすれば物足りないかもです。
ポリコレ関連
ポリティカルコレクトネス（以下ポリコレ）は大事な考えだとは思いますが、やはり昨今のゲームには少数派のキャラクターの要素が盛り込まれまています。本作もその流れは組み込まれています。一部メインキャラに同性愛を匂わす設定が追加されてますのでここら辺も気になる人は気になるかと。
大事な考えなんですけど、『１』や『マイルズ・モラレス』のころより露骨だった印象です。昨今はSDGsと同様に組み込まないと評価されないらしいので難しいですね。
少数派の意見やそれを知ることは大切ですが、少数派をメインに捉えた作品になると、多数派から共感を得られなくなるかもですね。ゲームも商売なので難しいところ。
※最近の新卒採用にて学生の方は企業がSDGsへの取り組みをしているかどうかに関心があるそうです。ってキャリアコンサルタントの人が言ってました。確かに新卒採用のHPに申し訳程度にSDGsへの取り組みのページがあるんですよね。
たまにバグる。三角ボタンが反応しないのはよくあった
上の写真みたいに人物が謎の挙動になるのは前作同様で多々あります。ここらへんは面白いので目をつぶってますが、インタラクトが反応しなくなることもあるのでそこは気になりました。
仕様とは思いますが、ムービーの直前にスキャンをしたらムービー中も当たり判定のある敵がマーキングついた状態になってしまいます。これはリザード戦でも起こりました。
ビル２、３棟分が透明になって1分くらしてフリーズするバグにも遭遇しました。条件はわかりません。
日本語のフォントがチープ
これはディズニーの吹き替え版でもある現象なんですが、あんまり工夫されていない無機質なフォントなんですよね。
まとめ。スパイダーマンシミュレーターとしては正当進化し満点。オープンワールドのハードルをひとつ上げた一本だった
前作よりもグラフィックやアクションがパワーアップして最高の仕上がりを提供され満足な一品です。プレイヤーの予想を裏切る思い切った展開もあり、ハラハラしながら遊べました。
単純な続編ではなく、前作には前作にしかない要素もあるので互換性があるというより、独自に楽しめるものとなっています。
続編匂わせもあるのでまた楽しみが続きそうです。
では、さいならー
おまけ：撮った写真たち
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