【PS5】ファイナルファンタジー16 クリア後感想【ネタバレあり注意】

FF16
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FINAL FANTASY XVI

さて2023年も半分が過ぎましたね。FF16発売ということでPS5を買いました!そして人生初のPS5タイトルはFF16!そしてクリア!サブクエは青年期編の一部を取り逃がした以外は全消化。モブハントも全部倒しました。購入から1週間ちょいでしたね。アクションモードでプレイしました。オート装備はトルガルのやつをつけてプレイ。

 あらすじや用語は省いています。どんなゲームなのかの概要も省略!ほんとに遊んだ感想だけです。ネタバレありです。別ゲームのことやFF14の微ネタバレも含まれていますので嫌な方は自衛をお願いします。

 先に全編通しての感想は、『集合認知のFFらしさを集約した新たなるFF』という印象でした。やってて楽しかったです。また、FF14が薄めのアクションゲームになったらこうなるのかって感じも受けました。

FFシリーズのプレイ歴+その他スクエニ作品のプレイ歴

 FFのみ愛しているゲーマーって訳ではないことをご了承ください。ナンバリング全作品を遊んではいないので追々プレイしていきたいと思います。シリーズの中なら圧倒的にFF14がプレイ時間長いです。FF界のスマブラであるディシディアFFシリーズでざっくりとしたキャラ達のことは知っていますしFF14でもたくさんのオマージュがあるのでわからなかったら都度調べているというプレイスタイルです。歴史の長いゲームなのでざっとしたナンバリングのキャラ名、ストーリーやオチは知っています。

 改めて見たら外伝作品ばかり遊んでますね。感想ブログやYouTubeのレビューを見ましたけど、今作品の開発メンバーとほぼ同じ人たちが作っているFF14「は」やってませんという方がおおいですよね。逆にFF14やってます勢の声は少ないのでその視点でも書けたらとは思います。

分類作品名ハード備考と一言メモ
FFクライシスコアFF7PSPこれと映像作品は見ました
FF10-2PS210はやってません
FF12(途中まで)PS2友達の家でFFというのを知った作品です
FF14PS4版一番長く遊んでいます
FF12レヴァナント・ウイングNDS
FF15PS4
FF零式PSPストーリーが一番好き
DISSIDIA FINAL FANTASYPSP人生で初めて自分で遊んだFFです
DISSIDIA 012 [duodecim] FINAL FANTASYPSP
その他キングダムハーツシリーズ色々全作品遊んでいます
ブレイブリーデフォルトシリーズ色々ジョブに近いシステムが大好き
オクトパストラベラーシリーズSwitch世界設定大好き
ニーアオートマタPS4
すばらしきこのせかいシリーズ色々戦闘BGMが好きです
ドラゴンクエスト11PS4人生初ドラクエ。福引で当たった。
カレナミンが遊んだFF、スクエニ作品

歴代FFでは零式が一番好きです。高校生のときに遊んだんですけど、人生で初めてエンディングで号泣しました。あんなに残酷だけど美しい終わりがあるのかと。次点でFF14です。暁月編で一旦物語の区切りがつきましたけど、FFらしさマシマシの素敵なゲームです。

音楽

 ホントに祖堅氏はオールウェイズ神曲を我々に提供している。「これでいいだよ」を地で行く。タイタン戦は14のDNAを引き継いでロック調で激アツ。フィールドBGMに歴代のFFのフレーズも要所要所に組み込まれていて良かったです。特に『Find the flame』はイフリートのごとく燃える。

FINAL FANTASY XVI

SEへのこだわりがすごく、環境音もハイクオリティ。氷の溶けるような音の再現度がすごい。PS5コントローラーの連動もあって心臓の鼓動をコントローラーと連動していました。

テーマソング『月を見ていた』

FINAL FANTASY XVI 見上げれば月が。どこかで誰かが同じ月を見ている。

 米津玄師さんが手がけた曲。最近だとアニメから映画までいろんなところで楽曲提供のあるクリエイターさんですね。ニコニコ動画のボーカロイドを投稿していた時代の曲も今の曲も好きです。

 クリア後に聴くと印象が変わりますね。この歌は誰が誰に歌ったものなんだろう。

登場人物

主人公陣営で印象に残っている人たち

 あれ、書き終わって思ったのはこのゲームおっさんばっかりだな・・・。

クライヴ(主人公)

FINAL FANTASY XVI どこを切り取ってもイケメンなクライヴさん。

 FFシリーズの新たな主人公。少年期、青年期、壮年期の3部構成ですが、行間を読む以上に過程が飛びすぎてイマイチ一緒の気持ちになりきれませんでした。復讐を誓った少年期編が一番丁寧に描かれていて気持ちを寄せられました。設定や行動原理や見た目は泥臭くて好き。

 元の性格+過去が過去なんで明るくはないですよね。多くは語らずでスカした感じもなく真面目な騎士・傭兵らしい無骨な印象でした。小ジャンプは彼の個性っぽくて好きです。公式生放送でも壺割る系主人公ではないという旨のことを話していました。確かにアラサーのいい年した剣士が街中で一人で大ジャンプして移動するのは違和感がありますよね。世界の描写が現実世界に近づいたことによる考えなのでしょう。細かいですけど街中とフィールドではジャンプの高さ違うんですよ。街中はちゃんと慎ましいクライヴ君が愛おしいです。トルガルやチョコボや小さい子供に優しいのも素敵ですよね。

トルガル

FINAL FANTASY XVI モーグリ・チョコボに続き新たなマスコットキャラになるか、いやなる(反語)。

 かわいいしかっこいいクライヴの愛狼。サブクエで正体が発覚します。一番長く戦ってきたからこそ最後一緒ちゃうんかいが勝った。

ガブ

 素早いおじさん。歩く死亡フラグ。ポッと出感満載で序盤離脱するかと思いきや最後まで居てクライヴの相棒キャラに。最後のジルの涙で察するのは、あんたもヒロインですよ。なんか素早いところとかヒロインムーブとかペルソナ4のメインヒロイン(?)の花村陽介を思い出しました。

バイロン

 親戚のおじさん。終始ギャグキャラだったのは重めのFF16にとっての癒しでした。意外と一緒に戦う期間が長いのは良かったです。とはいえ良い意味でも悪い意味でも死亡フラグクラッシャー。

ブラックソーン

 鍛冶師のおじさん。ツンデレおじさんでした。サブクエは新武器作成コンテンツになってましたが、ついでに拠点のおっさんたちの友情も見られて楽しかったです。

グツ

 気弱荷運びおじさん。秘めた力をもった優しき怪物っぽかったですけど特に怪力キャラでもなく、カローン婆さん想いの良いやつでした。彼もサブクエをしていないと掘り下げがないのでメインストーリーでちょこちょこ顔を出す隠れ家にいる人で終始しているでしょう。終盤、みんなで門を開けるシーンで棒立ちだったのは手伝えよとつっこみました。

ハルポクラテス(語り部)

 世界設定おじいさん。ラストのラストで彼の掘り下げがすこーしだけあります。彼のところのレベルアップのBGMが古き良き8bitサウンドなのは粋。ナッツを食べすぎて屁が臭い。

ミド

 シドの娘。クライヴ一行の平均年齢引き下げ大臣。ほんのりFF14のアリゼーを彷彿とさせる勝ち気な女の子でした。船の名前にFF14のアレを名付けるのはわかってらっしゃる。アルフィノもにっこり。物語のあとに宝探しの旅に出て空賊になってほしいところ。

ドミナントたち

 召喚獣の力を何かしらの形で授かった特殊能力者たち。敵も味方もひとまとめで書きます。FFシリーズのヴィランズと比べても人数が多くてそれぞれの信念が伝わりきらなかったです。クライヴの繋がり(仲間との絆)を断ち切ろうと無意識的、意図的にしていました。ほとんどのドミナントの行動原理は他者への愛。ベネディクタはシドやバルナバス。クプカはベネディクタ。バルナバスはかか様。序盤こそ戦乱の世を描いていて世界観大好物でしたけど、ドミナントとクライヴの戦闘が偶然対峙したり私怨だったりと国単位の闘いから規模が小さくなってちょっと気になりました。戦闘の規模が地球・宇宙レベルに広がったのに、人間模様は狭くなるこの現状ってアニメでも小説でもありますよね。

 ファイナルファンタジー人気投票上位に食い込んだエメトセルクは彼の背景や独りで戦う意味を理解した上で譲れない勝負をできたし、ズッ友はヒカセンLOVEが気持ち悪すぎて逆に人気になりましたよね。彼なりの矜持も持ち合わせていたのも腹立つけど納得できる。暁月のラスボスも世界を救うためのカタルシスに向けての準備が抜かりなかった。

 同会社のブレイブリーデフォルトシリーズだとヴィランといえばアスタリスク所持者。彼らもそれぞれのジョブアイコンに合わせたキャラクター性や各街を支配する背景が合わさって魅力的に感じました。オクトパストラベラーは2Dドット絵で主人公の数と物語の章数も限られている中で最大限、敵対勢力の行動原理が語られていました。

ジョシュア(フェニックス)

 かわいいなぁジョシュアくんは。彼はもう少し再登場を引き伸ばして欲しかった・・・。クライヴからしたら自治領でやっと会えて感動だったんですけど、プレイヤーはもう青年期編で彼の生存を知っているからクライヴと感情をシンクロできなかった・・・。話の中だけで説明がありましたが、過去どういう過程を経て助けられたのかのプレイヤー操作があればなぁ…。反面、ウェイドが生きていたのは嬉しかったしタイラーや将軍の死が確定して悲しかったんですよね。溜めというのは大事。

 フェニックスは中盤までずっと装備してましたね。転生の炎が便利すぎる。

ベネディクタ(ガルーダ)

FINAL FANTASY XVI ガルーダ戦のBGMもしれっとFF14のガルーダ戦のフレーズが流れています

 体験版からも戦えるセクシー姐さん。FFX-2のルブランよろしくステレオタイプ的なドロンジョ様と思いきやそうでもなかった。慕ってくれる部下がたくさんいることからいい上司だったんでしょうね。

 中盤くらいの敵かと思いきや最初の大ボスということで驚き。彼女こそもう少し掘り下げをしてほしかった。シドと因縁がありましたが、クライヴ(とプレイヤー)視点だと召喚獣の力を持ったちょっと偉い立場の敵くらいにしか見えなかったです。勝っても仇は取ったぞ・・・!とかもなくイフリートの力の恐ろしさとクプカとの因縁作りの装置でしかなかった印象。最期は思い切ったなぁ。

 召喚獣はウィルゲージ削りに最適でしたね。小スタンも取れるのでずっとスタメンでした。

フーゴ・クプカ(タイタン)

FINAL FANTASY XVI_VSタイタンは今作至上のベストバウトと思う。

 ベネディクタ大好きおじさん。経済担当大臣的な立ち位置でしたが絵に描いた脳筋でした。フルネームで言いたくなる。クプディ・クープみたいな名前してんなお前。シドの仲間を虐殺したもののこれまた感情を乗せきれなかった。戦闘回数は一番多くて単純接触効果でやや思い入れがありました。ベネディクタのハニトラのことは最期まで知らずに燃え尽きて知らないことは幸せだったのかもしれない。

 タイタン戦はFF14のDNAを引き継いでいて熱かったですね。ボス曲は一番好き。人型形態の技はさながらFF14の蛮神戦がアクションならこうなるんだよを地で行く熱さでした。巨大化したときも遊園地のアトラクションさながらでした。例えば今後ディシディアや他作品に参戦したときに、ヴィラン枠は誰になるかって考えると魅力とインパクトならばクプカかな。

 ジャストガードというシステムが大好物なのでスタメンでした。オラオララッシュでの削りが優秀でしたね。

ディオン(バハムート)

FINAL FANTASY XVI VSバハムートは芸術の域

 竜騎士お兄さん。王道ファンタジー世界に出てくる皇子様でビジュアルは満点でした。彼も父に認められたかった愛に飢えた哀しき男だったんでしょうね。彼との共闘はQTEだけだったから通常戦闘でも一緒に贖罪の旅のお供をしたかった。薬売りの少女と彼氏はどうなったんや。

 バハムートVSフェニックスは旧FF14「時代の終焉」トレーラーを彷彿させる良い戦いでした。バハムート戦はどこをスクショにしても美しい・・・。芸術的でした。

 ギガフレアとサテライトが優秀でガルーダに装備していました。

バルナバス(オーディン)

 ダークソウル風おじさん。外の大陸より来たりし不老の国王。彼だけ世界観は他の死にゲーに近しい。東洋人風で声優も俳優さんを起用している辺り異様な雰囲気を漂わせていましたが特に深掘りもなく黒幕の眷属として離脱。クライヴとの信念のぶつかり合いというより、上司の指示で戦っていた感が拭えなかったためクプカよりあまり盛り上がらなかったです。本人は至極楽しそうだったんで私もニッコリして戦いました。世界設定おじいさんのとこに行けばムービーシーンで「かか様」の描写があるのか察せます。

FINAL FANTASY XVI

 部下は体験版から登場していて後方暗躍意味深考察騎士枠かと思いきやただの馬だったので何とも。

 ゲームの召喚獣の能力は終盤のスタメンでした。斬鉄剣はダメージソースとして優秀でしたね。終盤のモブハント狩り〜ラスボスまでお世話になりました。

シド(ラムウ)

FINAL FANTASY XVI 口を開ければ名言風ハードボイルドおじさん

 シリーズ恒例のシドおじさん。割と序盤で離脱しますが、彼の黄金の精神は仲間達に引き継がれているのは感じました。彼がここまで慕われているのかはサブクエストで後々判明することになります。彼の言葉には考えさせれるものがありました。ラストシーンのクライヴを呼ぶ声は熱くなりましたよね。

 中盤までザコ狩り用で便利でした。

ジル(シヴァ)

FINAL FANTASY XVI 歴代ヒロインに比べたら控えめで慎ましい性格でしたね

 今作のヒロイン。とにかく良い人でした。彼女の掘り下げは少な目でいい意味で良かったです。多くを語らずの模範。おばさまとの目線のやりとりだけで充分に彼女の覚悟がわかった。他シリーズヒロインよりも年齢が上な分、落ち着いていて良かったです。インパクトは薄め。エアリスやティファの破壊力に比べたらインパクトは薄め。

 服装とか雰囲気FF14の氷の巫女イゼル風ですよね。顕現した姿が美しい。レオタードドリルヘアーおばさんではなくて良かったです。ストーリー的な意味合いでシヴァは最後まで装備していました。

その他

クライヴのカーチャン

 ただただ嫌な人でした。それだけ。ほんとにそれだけ。謎の力に覚醒したカーチャンをボコボコスカッとジャパンするかと思いきや何もなかった。ハリーポッターの世界なら絶対スリザリンですよ。FF14にも最近クレイジーサイコカーチャンが出てましたが近年のトレンドかしら。敢えて評価するなら、超常の存在に介入されていないのにここまで酷い性格と執政をおこない、皮肉にも憎しみの対象だった召喚獣たちに破滅に追いやられたことは悪役としていい意味で湿っぽい散り方だったこと。

黒幕

 スクエニ作品らしさ全開の人智を超えし上位存在でしたね。彼が人類に対して感情や絆を否定することを是としていましたが、小馬鹿にしてきた人類は彼が取り戻したかった愛に求め、愛に生き、愛に果てていったことも最高に皮肉でした。強いて言うなら他のヴィランの方がキャラが立っていてあまり語ることはありません。そんなところもFFやスクエニ作品のラスボスっぽいですね。

ストーリー

 物語は大きくクライヴの少年期、青年期、壮年期+最終決戦で描かれています。欲張りな感想ですがクライヴの隙間時代に何があったのかの体験が欲しかったです。プレイヤー自身がコントローラーで体験して勝利の対価を得る瞬間が短いのは人を選ぶ所以なのでしょう。とはいえ、全編通して見れば遊んだことのあるいつものFF、スクエニ作品という感想に落ち着きました。激アツ展開もありますが普段スクエニ作品に触れていない人が遊ぶとハードルが上がりすぎてしまう印象でした。

 総じて楽しかったです。しかしながらいくら行間を読み、世界設定を見たとしても細かいところで「そうはならんやろ」とツッコミどころがあって「人を選ぶ」という言葉に着地しそうです。スプラッター描写や露骨な性的なシーンもあるので家族や友達と遊ぶと気まずくなるかもです。

 言わずもがなですが、グラフィックは2023年現在のものでは個人的にPS5で初めて遊んだゲームがFF16だったので、PS4のゲームに比べてロード時間から何まで最高品質でした。

 魔法使いが奴隷という設定はなかなか面白かったです。「ベアラー」という名称はFF外伝作品の『FFクリスタルクロニクルクリスタルベアラー』のように英語で「運ぶ」という意味があります。命名に疑問でしたがサブクエをしたらよくわかりますね。

 全体的に世界観が『テイルズオブアライズ』に近かったです。主人公の出自は異なれど炎属性で奴隷ですし。マザークリスタルの破壊が、スルド撃破という大目的と重なりました。

少年期編(体験版でも遊べます)

 通して遊んでここが一番丁寧だった印象です。パッケージのクライヴが何であんな眉間に皺を寄せているのかがよくわかりましたし感情移入が一番できた章でした。何でフェニックス戦ってんの?からの伏線回収でタイトルロゴがドーン!!の感動がすごかった。「こういうのでいいんだよ」でした。

青年期編

 クライヴたちの今後の物語の展開の土台となる章。物語の世界設定が描かれ命の価値がない血みどろの世界観は100点満点でした。反面、意味深で世界設定にスパイスがありそうなキャラが特に何もなく離脱したりとよくわかんない感じでした。それぞれのキャラクターに伏線がある『オクトパストラベラー』シリーズよりかは、どんどんネームドキャラが死んでいく『進撃の巨人』のようでした。奴隷時代のミッションが見たかった。また、シドとの邂逅からの展開があっさりでシド含め隠れ家の人たちへの愛着がサブクエをしても湧かなかった。ここに時間をかけたかった気持ち。

壮年期編の中盤まで

 とはいえクプカとの因縁が一番わかりやすくて気持ちのピークはここでした。しかし少年期編で溜まったヘイトは消化不良に終わった感覚でした。

 FF14蒼天編が好きな人にはたまらないとの触れ込みでしたが、世界設定だけという感じでした。物語のプロットは非なるもの。ザンブレクのドラゴンと共闘する竜騎士という設定は大好きです。

壮年期編の終盤〜ラストまで

FINAL FANTASY XVI 『フェニックスの騎士』の旅はほんとにファンタジーしてました。

 終盤に関しては世界各地の生物がアカシアというゾンビのような成れ果てた姿になってしまいます。他シリーズでも同じように生物がさまざまな背景で成れ果てた姿「シガイ(FF13の系譜作品に登場)」や「テンパード(FF14)」、「終末の獣(FF14)」になるという展開がありますのでFFのナンバリングを踏襲していると感じました。

 エピローグはちょっとだけありました。非常に短いですがその後の世界がどうなったかがよくわかりました。とはいえ、あのエンディングの最後の一文で少しだけ救われました。ハルポとのサブクエを見ているとやはり「彼」がペンを握って冒険譚を描いて欲しかった。もしかしたら、シドのときのようにペンネームとしてあの名前で書き記したのかなぁと考察が捗ります。誰が生き残っていたかとかは人それぞれの解釈で良いかな。

 2周目から本番ということでしたが、それはあくまで戦闘面なだけあってストーリーに変化とかはないです。これは事前情報でも言ってましたよね。2周目から話が変わる作品はループものや時間遡行ものであるあるですが、あれはあれで好き嫌いがハッキリしている印象なので1周で完結させたのは英断かなぁ。ストーリーを追っている人は2周はしないのかなと思いました。自分はもうちょいやってみようと思いますが。

 とはいえ個人的にはDLCはなくて良いかなと。スピンオフも良いかな。細かい描写は本編で欲しかったですが、フルプライスで購入してそれで完結という形は昨今では逆にそれはそれで良いのかな。

サブクエストのしんどさは新生エオルゼア時代を思い出す

FINAL FANTASY XVI RPG特有のお使いは健在 テンポは昨今の時勢にはもう向いていないのかな

 サブクエ全般の内容は良いものが多かったです。時にはバッドエンド、ビターエンド的なものもありましたが、この世界観の系譜のゲームや物語を知っていると先の展開も読めるし納得もできました。世界設定がご褒美な方は対価として十分ですが、アクション重視の方からしたらサブクエの報酬はしょっぱいです。(余談ですがオープンワールドゲーのサブクエは受注→解決→受注元に帰る→受注者死んでいるというバッドエンドオチはよくあること。)

 一方で気になる点。メインストーリーの合間に差し込まれるタイミングです。さぁ!ここから佳境!待ってろ敵さん!!というところで緑のマークが生えてくるのは…。しかも最後はどんどんサブクエが生えてくるし時間経過の描写もあってのんびりしすぎじゃない?。もちろんスルーでも良いんですけど、ネームドキャラの深掘りエピソードやクライヴの能力強化もサブクエにくっついているから全消化しました。フィールド道中の兄弟のサブクエくらいのテンポが好きです。

 青年時代編で後回しでもいけるやろ精神でメインクエ進めまくって2周目まで遊べなくなったのは悲しみ。もちろん警告表示ありましたけどガチで取り返しがつかなくなるとは。会いたい人(サブクエ)とは会えるうちに会わないとですね。

 この諸々のもどかしさの既視感は新生〜蒼天時代のサブクエストやメインクエストのお使いイベントの長さに由来している気がします。現在進行形で新生時代の友好部族クエストはストーリー進行のポイントが溜まりにくいのも相まってしんどいんですよね。漆黒あたりからそこらへんは改善されて今はほんとにテンポ良し、ストーリー良しで文句なしなんですよね。

ゲームシステム

 進行不能バグも挙動がおかしくなることもなく最後まで安全にクリアできました。ゲーム制作なんてしたことないから机上の知識しかありませんが、プロのゲーム開発というのはすごいですね・・・。

 とはいえカメラアングル、移動の遅さ、拠点や町での移動の面倒臭さは他が丁寧な作りだからこそ目立っていました。

FINAL FANTASY XVI 吟遊詩人さん。バトルボイスお願いします。
FINAL FANTASY XVI フィールド。普通に明るい。

暗いというレビューが多くあります。自分で遊んでいる分には大して気になりませんでした。スクショの画面や動画になるとデータ圧縮の関係なのかやはり暗く感じます。

FINAL FANTASY XVI_オラオラオラオラとスタープラチナ並みにパンチして楽しかったけど何が起きているかはわからない

多様していたタイタンの反撃技は視認性最悪で相手の攻撃が見えなくなりました。

アクティブタイムロア

 物語がわからなくなったらいつでも用語解説を見られる機能。FFシリーズは造語や相関関係がややこしいから親切設計。「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」と揶揄されたFF13やそもそものFFに難解なイメージがあるからとても助かります。ぜひ続編やFF14にも付けてほしい・・・。ハルポじいさんと話すと追加で世界設定を色々知れます。

 『十三機兵防衛圏』みたいにゲームプレイの外で確認できたりするものはありますけど、リアルタイムでこのシステム使える他のゲームで見たことがない。(もしあったらTwitterのDMで教えてください)画期的というか新しい試みですよね。

アクション面

 大きく、人型形態のアクションRPGパート、イフリートに顕現しての召喚獣合戦パートの2つに分かれます。プレイヤーそれぞれの歩んできたゲーム体験で大きく分かれる印象です。私は洋ゲーのアクションオープンワールドゲームが好きなので嫌いじゃなかったです。ただ、スクエニ作品でよくある敵の攻撃を集める役、回復、攻撃などの役割のあるシステムのようなコマンドRPGの戦略性はほぼないです。

 メインストーリーの流れは 道中雑魚→中ボス1→道中雑魚→中ボス2→道中雑魚→大ボス(→召喚獣戦)っていうのがほとんどの流れでした。ん?この流れ何か見覚えが…。そう、FF14のインスタンスダンジョンに近いのです。道中がシンプルなのは、旧版と新生エオルゼア時代のダンジョンが迷路で遊びづらいという意見を取り入れていたようなので、FF16もそれを踏襲しているとは思いました。蒼天以降のIDは一本道ですし。

 小ネタレベルで敵の技名が過去作由来になっていたり、しっかりFF14と技モーションやよけ方が一緒だったりで「FFらしさ」があってよかったです。キマイラの氷結と雷の攻撃範囲は最たる例。

 16は戦闘中の最適解となる攻撃パターンが少ないという意味で『単調』とレビューする方が多いのではないでしょうか。また装備できる召喚獣のアビリティは「召喚獣3セット×2スキル=6種類」とやや少な目、つまり制限のある中での戦闘になるんですよね。魔法を酷使すると石化=死が近づくという設定に合わせているんでしょう。だからこそ戦闘前に慎重に装備のビルドを組む必要があるのですが、それにしても戦闘中の選択肢が少なかった。だったら「テイルズオブアライズ」の主人公アルフェンみたいに炎の剣を使用したら高火力の代わりにHPが削れる仕様とかがあっても良かったかなぁ。傷はヒロインが回復といった具合に世界設定と戦闘システムがあっていました。

 ストーリー以外の中ボス系がワンパターンになるんです。ゴリ押しをしたらジリ貧になるので、敵の攻撃に対してジャスト回避orジャストガードをしてから削り用の攻撃を叩き込み、テイクダウンで高火力バースト。ガチ勢向けのコンテンツもあるとのことでしたが、基本はアクションが苦手な人でも楽しめるレベル設定でした。もちろん避けたりしないといけないので普通にゲームオーバーもあります。私はベネディクタ戦とモブハントで三回やられました・・・。

 ある意味従来のコマンドRPGに近く、見た目がリアルになったからこそかつてのコマンドRPGがアクション寄りになったらこうなるのでは?と思いました。オクトパストラベラーのブレイクシステムやペルソナシリーズの弱点属性に対してのweakシステムに近いですよね。

 戦いに参加するNPCもいますが、指示出しは愛狼のトルガルのみ。味方のHP管理はなく、戦闘不能にもならないのでストレスフリーでとても優秀です。クライヴの戦闘に集中できる分というメリットに対して、物語進行的にはどうも愛着が湧きづらいのもあります。

FINAL FANTASY XVI 

 召喚獣戦では歴代でもシステムとしてあった「ラーニング」もありますが演出程度のおまけでした。

ラスボス戦

 私個人としては物語性のあるゲームの決定打はラストバトルにあると考えています。今作のラスボス戦は今までの戦闘スタイルの総決算といった感じで熱くてよかったですね。QTEは置いてけぼりでしたが。曲もクライヴのテーマソングが流れてどんどん盛り上がって良かったです。最後の演出は好き嫌い分かれるんだろうなぁ。あれもFF14で見たことある展開でした。

モブハント

 FF12からあるモンスターをハントするシステム。場所は明確にされず手配書のヒントから探すコンテンツ。これは無心でハントできて楽しかったです。

 FF14チームはプレイヤーコミュニティの細かいところまで気を配っています。YouTubeの配信や実況動画も観ていたり、Twitterでの流行りや怒りの声もきちんと拾っていてとても好印象です。FF16はかなりシリーズのことや昨今のプレイヤーの気持ちを汲んで開発された印象です。だからこそ尖っていないというか、万人受け用で丸く収まっているなぁという感じでした。

FF14と何が違うのか

 FF14といえば、特に漆黒のヴィランズが高評価でどんどんプレイ人口が増えていっていますよね。FF16が蒼天っぽいのは開発の声がかかったのがちょうど2015年の蒼天リリースと同じだからかなぁとは思いました。FF14の立て直し&盛り上げと並行しての開発のようですから新生〜蒼天の名残がFF16にあるのでしょう。

 そもそも定期的にアップデートで物語が追加されるMMORPGと買い切りのアクションRPGを一緒にしてはいけませんが、F14と何が違うのか。積み重ねの数と時間と考えました。FF14のメインキャラ達といえば、ヤシュトラやサンクレッド達暁の血盟の面々でしょう。彼らって最初は胡散臭い人たちだなぁという印象でしたけどMMORPGだからこそ時間をかけて深掘りされ、共に歩み続けて世界を救う旅に出て単純接触効果も相まって愛着が増しました。他のキャラも同様です。

 物語の間が語られず、戦局の報告があるという構造はファイアーエムブレムシリーズにも通じるところ。あちらは戦闘前の準備段階で支援会話として仲間との愛着を持たせられました。FF16はサブクエくらいしか本筋以外で接触がないんですよね。そこがあって私はキャラクターへの愛着は薄かったです。どちらかというとクライヴの主観多めの大河ドラマや群像劇として観ていました。

まとめ -思い出の中のFFには勝てなかったけど良かった-

  • ストーリー トータルで良し。「こういうので良いだよ」が多め。裏を返せば他の物語作品の展開に似ていて目新しさはなし。人を選ぶかも。
  • 音楽 100点満点。BGMからSEまでFFファンの「好き」を知り尽くしている
  • グラフィック PS5のフルスペックを稼働しいて綺麗。暗所は賛否分かれる。
  • アクション 比較的優しめなアクション。ロールプレイ要素は1割くらい。アビリティのビルドもそこまで選択肢がない。召喚獣合戦は演出込みで新鮮。

 FF14の不死鳥の如し復活劇やその弛まない努力に裏打ちされたゲーム性に惹かれて遊んでいるからこそそのチームが作ったFF16を遊びました。カレナミン自身、コロナ禍で職場が中々苦しかった時に吉田Pの本や第三開発事業部の建て直しに感銘を受けて仕事のエッセンスを職場で取り入れてうまくいったから本当に感謝です。

 ただ、グラフィックや演出が最強になったとはいえ私の中の思い出のFFには勝てなかっなぁという印象でした。丁寧でプレイヤーへの配慮があって良いゲームではありましたが、ちょっと引っかかる部分もありました。そもそも万人受けするゲームはないですし、派生含めて多数に広がったFFシリーズですから独立して好みが分かれるなぁと。やはりナンバリングの間が空きすぎると、プレイヤーも時勢も変化してしまうのはある意味大変ですね。YouTubeやTwitterの意見が全てではありませんが、全肯定するのも何か変ですし、酷評するほどひどいゲームでもないと思いました。

 テレビゲームやアニメ・漫画と娯楽が昔以上に多岐に渡ったことで顧客の考える最高傑作がどんどん広がっていると感じさせられました。カレナミン自身も感じています。いろんなゲームをすると「この展開別のゲームでも見たな」とかがあります。これはプレイフィールの解像度を上げる反面、ツッコミどころも増えてしまうので危険ではあります。色々気になることを書きましたが、過去ハードに比べたら十分ハイスペックで贅沢仕様なので、本当に目が肥えてしまったと自覚させられました。

 それはそれとしてFFは全作品遊んでませんので全編通して遊んでみれば「FFらしさ」の正体もわかるのかなぁと想ったり。

 令和の世に新たなるファイナルファンタジーは見られて嬉しかったです。クライヴが今後もFFシリーズをクラウドたち筆頭に光の戦士として引っ張ってくれると幸いです。ひとまずエオルゼアに戻りますね。では、さいなら〜。

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